Pan Africa News 11(2) の記事から

タンザニアのワンシシ、マコマヨ地域のチンパンジー (by 小川秀司、ジム・ムーア、金森正臣、シャドラック・カメニャ) オリジナルの英文記事へ
2001年にタンザニア西部のワンシシ・マコマヨ地域で(マハレ山塊国立公園の東方)、チンパンジーの生息調査を行なった。マコマヨではチンパンジーの痕跡は見つからなかったが、ワンシシではベッド、糞などのチンパンジーの痕跡を多数観察した。ベッドの数からの推定によると、500平方キロのワンシシ地域に、30頭余りという少数のチンパンジーが孤立して生息していることになる。

野生チンパンジーの性皮こすり行動 (by 座馬耕一郎、藤田志歩) オリジナルの英文記事へ
タンザニアのマハレとギニアのボッソウで、野生チンパンジーのメス同士が性皮をこする行動が観察された。横になって寝ている個体に対し座ってマウンティングする姿勢、四足立ちで互いに逆方向を向いた姿勢、木につかまって2足立ちになっている個体に対し四足立ちで逆方向を向いた姿勢など、5つのタイプの性皮をこする姿勢が観察されたが、ピグミーチンパンジーのように向かい合って抱き合う姿勢は見られなかった。

セネガルのフォンゴリに生息するサバンナ・チンパンジーに観察されたサルの狩猟 (by M・ガスペルジック、JD・プルエ) オリジナルの英文記事へ
森林に生息するチンパンジーは、サルを含む多くの哺乳類を狩猟することが知られている。一方、サバンナに生息するチンパンジーがサル(真猿類)を捕食したという報告例は無かった。2004年6月に、フォンゴリのサバンナに生息するチンパンジー集団が、ミドリザルを狩猟して食べたと思われる観察をした。また、糞分析により、ここのチンパンジーがガラゴの仲間を捕食していることも確認した。

チンパンジーによるキイロヒヒ狩猟の増加 (by 西江仁徳) オリジナルの英文記事へ
マハレでは1997年にはじめて観察されてから報告がなかったが、2003年-2004年にかけて5例のチンパンジーによるキイロヒヒ狩猟が観察された。報告した2つの事例では、チンパンジーのキイロヒヒへの対応の違いが観察された。一方では獲物のヒヒの肉を長時間にわたって食べつづけ、別の事例ではほとんど肉を食べずに放棄した。



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