会長挨拶

西田利貞


 マハレは、世界の秘境である。定期航空便を使うなど通常の方法では、日本から1週間以上かかる。撮影隊や急ぎの旅行者は、セスナを一機借り切るしかない。調査開始以来40年、私も今春停年を迎えたが、この間、訪れた日本人は100人程度だろう。しかし、2001年から近畿日本ツーリストの谷井厚子さんが、毎年10人くらい日本人旅行者を連れてきてくださるようになった。マハレが気に入って、マハレ協会の会員になってくださる方も多い。また、20年以上の歴史をもつサバンナクラブの、しかも幹部の方々が最近5人も加入してくださった。こんなに励みになることはない。日本人の作ったアフリカ唯一の国立公園である。大勢の日本のかたがたに見ていただきたい。もちろん、大勢といっても、1日平均5人程度を期待しているのであって、それ以上ではない。チンパンジーもマハレの生態系も脆弱だからである。今後、マハレのファンを増やすため、「珍聞」を充実させ、また“幻の迷著”『マハレ・サバイバル・マニュアル』の改訂版を作りたい。乞う、ご期待!




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