今年もやっぱりマハレ通い

谷井厚子


 2001年9月のマハレへの旅から、今年で3年目。毎年この時期の恒例のツアーになってしまいました。タンザニアの乾季の終わり。セルー、ルアハ、あるいはカタビ国立公園と、乾ききった草原に雨を待ち焦がれる、厳しい姿の野生動物たちを見た後で、「天国のような」マハレを旅の最終目的地にするのを気に入っています。タヒチの海のように透明なタンガニーカ湖。マンゴーの実る白い砂浜。漁師の小舟が浮かぶ浜辺に、女たちのカラフルな洗濯ものが揺れる。チンパンジーたちが、こんな天国のように美しい湖のほとりに暮しているなんて、ここまで実際にやって来た人でなければとても信じ難いことでしょう。マハレは私をしっかり虜にしています。
 ターザン物語から名づけられた浜辺のグレーストークキャンプでは、時にはチンパンジーたちの呼び声で目覚めることもあります。日々のねぐらを変えて移動する彼らが、昨夜は直ぐそこまでやって来ていたのでしょう。そんな朝は朝食をとるのももどかしくいそいそと森へ出発です。たいがいは4〜50分ぐらいの森林ウォーキングで彼らと出会えます。私の一番好きな人たちは、やっぱり小さな子連れの母親集団です。同じぐらいの年頃の子どもを持った、数人の母親仲間ができているようで、それは何所かの町の公園で見かける風景とほとんど一致します。緑が眩しい木洩れ日の中で、おっぱいを飲ませ、キスして、高い高いをして、宝物よと抱きしめる。ほんの数メートルの距離に座る私たちもまた、そんな母子の濃密で幸せな時間を共有している幸福感に満たされてゆくのです。森では西田先生に出会うことも。チンパンジーとともに現れて、チンパンジーとともに茂みに消えてゆかれます。やっぱりこの道30年の鍛えぬかれた足には、私たちのような素人集団はとてもついて行けません。改めて尊敬….。
 マハレでの午後のひとときは、夕凪の釣り舟。淡水の熱帯魚であるクーへはカラフルでも味は鯛のようにしまっていて、これがキャンプの夕食を飾ります。オレンジ色になった太陽が湖面にとけてゆきます。森のチンパンジーたちはもう眠りに就いたろうか、ふり向けばマハレの森に白い満月。
 マハレを天国と感じているのは私だけではないようです。ご一緒してくださったお客様の中でも、「もう一度行きたい」と、また来てくださる方が大勢いらっしゃることからもわかります。私たちは、来年の9月にもまたマハレへの旅を予定しています。ご一緒にいかがですか。旅の詳細は下記の電話にパンフレットをご請求ください。


近畿日本ツーリスト梶@クラブツーリズム
“世界の笑顔に出会う旅”
アフリカ企画担当: 谷井厚子
03-5323-5700

(たにい あつこ・近畿日本ツーリスト)




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