第12回 至極の逸品―マフンブィ中村 美知夫
マハレで採れるキノコの中で、見つけると最も「アガる」のはこのマフンブィ(トングウェ名:mafunbwi、単数形はlifunbwi)ではないでしょうか。 写真1 地面から引き抜いたところ―とにかく尻尾が長い 第2 回に紹介したブスワレ、第3 回に紹介したムスウェンスウェ、第4 回に紹介したムトゥリと同じシロアリタケ(Termitomyces 属)の仲間ですが、マフンブィ(おそらくTermitomyces letestui)はこれらいずれよりも大型です。ブスワレの際に強調したように、シロアリタケの仲間はその尻尾が歯ごたえがあって美味しいのですが、このマフンブィは御覧のように非常に長い尻尾を持っています。それだけ美味しい部分が多いと言えます。ブスワレの場合、丁寧に掘らないと尻尾がちぎれてしまうのですが、マフンブィの尻尾はより頑丈なのと、だいたい軟らかい粘土質の土に生えているため、頭の部分を持って丁寧に引っ張れば、ズボッと長い尻尾まで抜けます。 写真2 土を落として洗ったところ―切り 落とした尻尾はゴボウのようにも見える さて、今回のマフンブィ。大量に採れたので、4 分の3 くらいは調査助手たちにおすそ分け。4分の1 でも結構な量です。やはり、とりあえずはゴマ油とニンニクで炒めて仕上げに醤油。コリコリとした尻尾の食感がたまりません。エリンギも歯ごたえのあるキノコですが、マフンブィには敵いません。全部炒め物にするには多かったので、残りは佃煮風にして頂きました。 (なかむら みちお・京都大学) 第31号目次に戻る | 次の記事へ |