調査隊でファイバーボートを新調!

 

 マハレはタンガニイカ湖のほとりにあり、陸路では到達できません。従って、ボートが重要な交通手段となります。これまで調査隊では、手に入りやすい木造のボートを使用していました。しかし、木造の舟は重たく、ガソリンは食うし、スピードも遅い、また、だんだん木が腐食してくるため、メンテナンス費用も馬鹿になりませんでした。そこで2010年6月に、待望のファイバーグラス製のボートを購入しました。  購入元は、ダルエスサラーム近郊にあるシーホースという会社。タンザニア在住のオランダ人男性が、リゾートホテルを経営する傍らタンザニア人スタッフたちとボートを作っているようです。購入したのは、長さ9.25mで最大12名まで乗れる軽くて頑丈なボートです。国立公園のファイバーボートと全く同じ形なので、区別しやすいように上の部分を黄色く塗ってもらいました。



写真1 ダルエスサラームでボートをトレーラーに載せる(撮影・松本卓也氏)


 ダルエスサラームからは、貨物列車で運ぼうと考えていたのですが、運行が不安定なので断念。ボートが乗る大きなトレーラーを探して運ぶことにしました(写真1)。途中悪路もあるので、トレーラーが無事に着くかどうか一抹の不安もありましたが、3日後トレーラーは無事到着。マハレから船外機を持ってきてくれた調査助手たちとも合流できました。キゴマでは、看板屋さんに調査隊のロゴマークをペイントしてもらい(写真2)、錨やロープなども新調しました。舟にはマハレのメスのチンパンジーの名前を取って「イコチャ」と命名しました。



写真2 調査隊のロゴマークをペイントしてもらう


 2010年6月16日、荷物を積み込んでいざマハレへ。波も穏やかで、航海は順調です。これまでキゴマからマハレまで10時間はかかっていたのが、5時間ほどで着きました。ガソリン使用量もこれまでの4分の3くらいでした。今後ボートを使った広域調査などにも利用できればいいなと考えています。


   


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