チンパンジーの社会


単位集団



チンパンジーは複数のオス・メス、多様な年代の個体からなる集団(単位集団)を形成して暮らしています。すべての個体を一頭一頭根気よく識別し、社会関係を詳しく調べあげた成果です(2015年5月現在、構成員60頭前後)。

離合集散

チンパンジー社会の特徴的な点の一つは、単位集団のメンバーが互いにくっついたり離れたりを繰り返すことです。全体を一度に見る機会はめったにありません。また、一緒にいるメンバーも流動的です。時期によっては、目まぐるしすぎて、都会の雑踏に放り込まれた気分になります。







父系社会




オスは産まれ育った単位集団に留まりますが、多くのメスは性的に成熟する頃には、別の単位集団に引っ越しします(移籍)。慣れない土地で、新しいメンバーと関係を築いたり、出産・育児もあるし、大変です。

多様な社会交渉・複雑な社会関係




彼らの社会のもう一つ特徴的な点は、多様な社会交渉にあります(何もしていないことも多いですが)。きっと、離合集散という複雑な共存のあり方が関わっているのでしょう。









文責:伊藤詞子