会員の皆様へ ―2023年度事業・活動報告―
マハレ野生動物保護協会(MWCS-J)代表 保坂 和彦
2023年度も変わらぬご支援を賜り、深く感謝いたしております。
当協会からの特別奨学金を得てキゴマ職業訓練学校ディプロマ課程で法律を学んだシャバニ・キトペニ氏は、2022年11月にタンザニア南東部モロゴロのムズンベ大学法学部に入学し、ときどき勉学の進捗状況を知らせてきます。彼にはキゴマでのディプロマ取得のため、すでに3年間の奨学金を支給しており、公平性の観点から当協会としての経済支援は行っておりませんが、タンザニア政府の学生ローンに申請する際の推薦書作成などに協力いたしました。けっして容易な道ではありませんが、彼が卒業後に司法試験に合格して、カトゥンビ出身初(?)の弁護士として戻ってくることを祈りたいと思います。
昨年度の事業報告で、皆さまからいただいたご支援をカトゥンビ小学校の2教室増設計画の実現に役立てる案をお示しいたしました。当小学校では、生徒数が教室の収容能力を超えた状況が続いており、高学年クラスは教室で授業を受けているものの(写真)、低学年や未就学児クラスは青空授業が続いている状況を解消する必要があります。また、学校が抱える問題は、教室の不足だけではなく、水道の貯水槽(経費不足で工事が中断)、机・椅子の不足、黒板の老朽化などさまざまあることがわかりました。2教室の増設だけでも約1万5千ドルの経費が必要と見積もられています。当協会としては、増設計画の経費を一部負担する支援に限定して、金一封を寄贈する方向で学校側と協議を始めております。ただし、現在のところ当協会で支援に充てることができる金額は見積額の約3割に留まります。建設開始に必要な資金計画を学校側と協議しながら、適宜エコツーリズム業者にも資金供与または募金活動への協力を呼びかけていきたいと思います。2023年度後半のほとんどは再びカンシアナ基地に研究者がいない状況が続いたため、学校側との対面協議が滞ってしまいましたが、2024年夏季に再開したいと思います。
写真 カトゥンビ小学校の生徒(2023年9月7日、保坂撮影)
また、2023 年度事業として発行できなかった英文ニュースレター(Pan Africa News,略称PAN)を、このたび、Vol. 29, No.1–2(合併号)として発行いたしました。2024 年度は、PANも日本語ニュースレター(『マハレ珍聞』)もそれぞれ年2 号の発行に戻してまいりたいと思います。
国内の教育普及・広報活動としては、2023年4月9日(日)、恒例となっている京都市動物園の『野生動物学のすすめ』にブース展示で参加いたしました。
2023年度の会費を納入していただいた皆様に深く感謝申し上げます。2024年度の会費納入についても何卒よろしくお願いいたします。会費の納入状況が不明となっている方は、メール(info@mahale.main.jp)でお問い合わせいただけますと幸いです。
今後とも、皆さまの温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。
(ほさか かずひこ・鎌倉女子大学)
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