Pan Africa News 12(2) の記事から

ロマコ−ヨコカラ森林保護区(コンゴ民主共和国)のボノボと大型哺乳類の生息状況 (by V・オマソンボ、D・ボケロ、J・デュパン) オリジナルの英文記事へ
2004年8月から10月にかけて、コンゴ民主共和国・ロマコ−ヨコカラ地域のボノボと他の大型哺乳類、狩猟キャンプの調査をおこなった。ボノボのネストセンサスにより、この地域のボノボの生息密度は1平方キロあたり0.1〜0.7頭と推測された。またこの地域には35の狩猟キャンプがあり、合計約1000人ほどの人間が住んでいることもわかった。

マハレ公園に季節別公園利用料の導入を (by 西田利貞、C・ムイヌカ) オリジナルの英文記事へ
マハレ公園への旅行者は2002年に400人を越えた。公園の収容力からいえばわずかな数だが、訪問者がチンパンジーだけを見に、乾季の数ヶ月に集中して来るのが問題である。公園スタッフ、ガイド、キャンプマネージャーもくるので、20人を超える見物人がチンパンジーを取り囲むことも珍しくない。これは彼らにとって大きなストレスだ。雨季が観察に不向きというデータはない。乾季の旅行者を減らし、雨季の旅行を奨励するため、雨季の公園利用料を安くすることを提案する。

マハレMグループに新しく移入したメスの行動について (by 中村美知夫、伊藤詞子) オリジナルの英文記事へ
2005年9月に移入したユリの行動を観察した。ユリは初日から複数の個体と毛づくろいをし、複数のオスと交尾をした。また、文化的行動としては、対角毛づくろい、リーフグルーミング、木の幹なめ、などが観察された。ユリは、この時期にMグループのメンバーが食べる物はほとんど食べていたが、レモンの果実を食べるところは観察されなかった。

マハレにおけるDNA試料採取と分析 (by 井上英治) オリジナルの英文記事へ
タンザニア、マハレ山塊国立公園にて、チンパンジーのDNA試料の採取を行なった。観察ができるMグループの個体は個体追跡をして、フン、尿、引っ掻いて落ちた毛、食べ物のしがみかす、怪我から落ちた血などを採取した。観察ができない他の群れからは、ベッドに残った毛と近くに落ちているフンなどを採取した。今後、これらのサンプルを用いて、父子判定などの遺伝的分析を行なう予定である。



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