Pan Africa News 10(1) の記事から

霊長類間の病気感染の可能性削減のための、ゴンベ国立公園を訪れる研究者向け健康ガイドライン (by アンソニー・コリンズ) オリジナルの英文記事へ
人間による霊長類への病気感染が問題になっている。ゴンベを訪問する前のワクチンの徹底、チンパンジーの観察距離を7.5m以上に保つこと、一回の観察人数を6人以下にすること、森で食べない、極力排泄しない、など、感染を防ぐための具体的な指針を示している。

ウガンダ・キバレ森林国立公園・ンゴゴにおける野外研究 (by ジョン・ミタニ、デイビッド・ワッツ) オリジナルの英文記事へ
キバレ森林・ンゴゴ集団では、1993年から本格的調査が開始された。この集団のサイズは、オトナだけで70頭以上、全部で150頭前後と、これまで観察された中でもっとも大きい。頻繁な狩猟やパトロール行動など、ンゴゴでの研究の進展を紹介している。

マハレチンパンジーにおける熟練採集技術の獲得 (by リチャード・バーン、ナディア・コープ) オリジナルの英文記事へ
チンパンジーが植物を食べる際には、複雑な加工を必要とする場合が多い。マハレのチンパンジーを対象にさまざまな採食技術を詳細に検討した。たとえば、サバやレモンの果実を割るときには、利き手があり、雄は左利き、雌は右利きが多いことなどが判明した。

ブドンゴ森林のオトナ雄チンパンジーがアカンボウを運搬 (by H・ノットマン、J・ムン) オリジナルの英文記事へ
ブドンゴ森林のジャンボというオトナ雄が、新生児を3日の間運搬するという例が観察された。新生児はどこからかさらわれてきたものと推測されるが、雄がアカンボウをさらっても、必ずしも嬰児殺しや攻撃の対象となるとは限らないことになる。

ボッソウの雄チンパンジー、11歳で前アルファ雄より高順位に (by 中村美知夫、大橋岳) オリジナルの英文記事へ
チンパンジーの雄がオトナになるのは16歳くらいと言われているが、ギニア・ボッソウで、ヨロというワカモノ雄が11歳という若さで、前の第一位雄のテュアよりも優位になって第二位となった。これは、これまで報告されている中でもっとも若い年齢である。

マハレ山塊国立公園M集団の南方の隣接群について (by 島田将喜) オリジナルの英文記事へ
2002年3月にマハレM集団の遊動域の南方を調査した。N集団・L集団を含め、全部で131個のベッドを確認した。また、両集団と思われるパーティを数回目撃したが、L集団の方がN集団よりも人間に慣れているという印象を受けた。

セネガルのサバンナに棲むチンパンジーが葉飲み込みをしている証拠 (by ジル・D・プルエ、スザンナ・ジョンソン-フルトン) オリジナルの英文記事へ
チンパンジーの生息域の中でもっとも暑く、乾燥しているセネガル南東部のフォンゴリでチンパンジーが葉飲み込みをしている証拠が見つかった。350個の糞を分析した結果、10個からチンパンジーに噛まれずに飲み込まれ、未消化で排出された葉が見つかった。



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