「生物多様性」をローカライズする―タンザニア西部における地域コミュニティによる内発的自然保護を支援する環境教育システムの構築(トヨタ財団 2013年度研究助成プログラム 共同研究助成 A1 D13-R-0577)


プロジェクトの概要

「生物多様性」をローカライズする―タンザニア西部における地域コミュニティによる内発的自然保護を支援する環境教育システムの構築

 タンザニア西部は、生物多様性ホットスポットの一つとされており、地域固有の多様な動植物相に恵まれた地域である。しかし、そのような国際的に評価された生物多様性が減少しつつあるという問題意識は、必ずしも地元の人々には共有されていない。その原因の一つとして、僻地ゆえに教育・雇用機会が少ないことが挙げられる。また、生物多様性の維持に欠かせない、自然に関する伝統的知識が失われつつある、といった問題もある。
 これらの問題を踏まえて、本研究では、この地域の多様な動植物および動植物に関する伝統的な知識に関する調査をおこない、環境教育のための教材開発をおこなう。いずれの過程でも、現地の若者が主体的に活動をおこなうための枠組みの創出を重視する。現地の若者が動植物やそれについての伝統的知識の収集をすることによって、郷里の自然環境や文化の価値を再発見することが期待できる。子供たちへの環境教育もそうした若者たちが担うことで、ローカルな場での知識伝承が再生されるであろう。こうした活動が自立的に継続し、観光などとうまく組み合わせることで、将来的には雇用創出や経済効果も期待できるだろう。